手すりの専門店 キバナデザイン


「手すりと私 その戦略について」


今回は代表のわたくしが今、何を思って手すりというものに向き合おうとしているのかをお話ししてゆきたいと思います。

まずは、手すりの話を始める前に、私の経歴をお伝えしたいと思います。


生まれは静岡県の沼津市。家ではプラモデルと機械いじり。外では近所を駆け回り遊ぶことが好きな、ごく普通の少年時代を過ごしました。

将来の夢を描くときには決まって物を作る人や設計をしたりデザインをしたりする人を思い浮かべ、それが自分にとってのキラキラした人物像だったと思います。

東京の美術大学を辛くも卒業し、
晴れて社会人に。

夢だったデザインとか設計を行う職業
には近づきましたが、実際の仕事は工場を行き来して物事の調整をはかるコーディネーターのような仕事でした。
繊維メーカーに就職した私は、自動車会社のデザイン担当者にシート生地の企画を提案し、採用されたら生産の前段階まで持っていくという業務を行っていました。

最大公約数を求めることが正義で、市場のニーズよりもメーカーの都合が優先される事のほうが多かった気がします。
その中でも様々な現場との関わりで製品が生み出される時はとてもやりがいを感じましたし、何よりうれしかった事を思い出します。

ただ、実際には大多数のデザイナーの仕事がそういった裏方の調整役であることを今では理解していますが、当時はもっとダイレクトにモノづくりの現場に立ち会いたい、
お客さんが本当に欲しいものを提供できる当事者になりたいという欲求に駆られていました。

そこで何を思ったのか、当時の私はデザイナーという職を辞し、特注の金属製品を製作する工場の職人へと転身したのでした。
当時の言葉でガテン系というのがありましたが、ひたすら体力勝負で技術の研鑽に励むモノづくりの仕事に私は没頭しました。

製品はいろいろ作りましたが、中でも多かったのが店舗設計の事務所から発注される特注の看板とか店内の装飾とか構造物とかでした。
店舗の仕事はとにかく納期優先です。朝から晩まで工場で製作し、夜遅くまで稼働している塗装工場で製品が塗られている間に食事と仮眠。
そのまま現場に納品に行き、朝までかかって取り付けを行うなんてこともやってました。
建築と現場の知識は、そのころ身に付けたものが多いです。

その後転職し、より装飾性の高いアイアン製品を企画制作する工房へ。
デザインと営業の業務を中心に行いつつも、工場と現場での経験を活かし、一人で企画から製作、納品までまかなうというスタイルを確立させました。

その時に多く手掛けていたの特注の手すりだったんですね。
ようやく手すりの話にたどり着けましたが、私が手すり専門を謳う理由の原点がそこにあるんですね。

工房時代の制作風景 ハンドレールのエンド部分を製作中


手すりは大まかに分けると、転落防止の柵としての手すりと動作補助のための手すりがあります。
それぞれに設計や設置にあたってのノウハウがあるのですがここではその話は割愛いたします。

私が訴えたい大事なポイントは、「手すりは、建物の機能としてとても大事なもので、しかもデザインの要素としても大きなウエイトを持つものであるにも関わらず、
案外そこに気づいていない人が多いのでは?」ということです。

転落防止の柵としての手すりは例えばバルコニーや通路のフェンスがあげられます。
動作補助の手すりは 階段等の段差部分や立ち上がり時に必要な場所に設置されます。

どちらの場合も機能一辺倒で割り切ることもできるのですが、どうせだったら生活スタイルとか内装のデザインに合わせておしゃれな要素を持たせてもいいんじゃないでしょうか。
手すり専門を謳う私は、先に挙げた経歴にあるようにただ工事をするだけでなく、より良いデザインの調和や、アクセントとして付加価値を高められるような手すりのご提案を同時に行うことが可能です。
また、ただ美観にこだわるだけでなく。ユニバーサルデザインという視点から、誰でも使いやすく調和させるといった機能と合理性を併せ持つコーディネーションを行うことも可能です。

手すりはシンプルなようで突っ込んでいくと結構奥深いものがあります。施工に関しても様々な知識と経験が要求されるということになります。
いままではそういった仕事ができるのが建設界のオールラウンドプレーヤーである大工さんが片手間で行っていたと思います。
しかしいま、大工さんは大変忙しいのです。
どこに行っても引っ張りだこです。
しかも、いわゆる棟梁として一から十まで家のことを熟知し、頭の中でデザイン的なことや設計的なことまで網羅できてしまう職人さんが年々減ってきているといわれています。


私は現在、妻とスタッフのサポートの下、

営業と企画、施工までを行っています。
大工仕事は得意ですが、家づくりなど本職の方が組織的に行う領域までは正直手が出せません。
ですが、手すりに絞り込めばデザインの提案から施工までをトータルで賄うことができます。
結果、最小かつ最大の効率を以って、お客様にとって価値のあるものをご提供することができると確信しています。

先に申し上げましたが、多くの人がまだ手すりの魅力や価値に気が付いていないように感じています。
デザインの役割の一つに価値の具現化というものがあると思いますが、私がその役目を担うことができればそれはとても幸せなことだとおもいます。

私が経営的に立てた戦略は、私が持つスキルを多くの人の暮らしの利益に貢献できるようにするために、その手段と要素を手すりに絞ることでした。

いま、原点に返り、現場と現場を駆けずり回っていた頃を思い出しつつ、お客様に寄り添い、
本当に価値のあるものを提供できるかということを自問自答しながら日々邁進してゆきたいと考えております。

手すり一本からでも喜んで。
手すりの専門店 キバナデザインをどうぞよろしくお願いします。

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