BLOG 【かえる日和】

うつくしま

前回のブログの続き。

二十歳位の頃にバイクで東北をあてもなく旅行したという話。

へっぽこ道中記としても特に中身のない雑記になってしまったが、懲りずに続けてゆきたいと思う。

さて、北へ北へと向かい、最終的には下北半島の大間へたどり着いたところで一応の終着点とし、帰路につくことにした。

大間は今でこそマグロで有名な場所となっているようだが、当時はそんなことも知らず、ひとけのない漁港で遠くにかすむ函館を眺めていた。

地元のおばあさんが寄ってきて話しかけてくれたのだが、ほとんどなにを言っているのかわからなった。

言わんとしていたのは、「ここには何もないよ、あるのは強い海風くらいだ。東京からわざわざと来なさったのかい?遠路はるばるご苦労さん。」

ということだったと思う。

最近では、その強い風が風力発電の拠点として適していると注目されているようだと、聞きかじりの情報を得ているが、その後はどうなったのだろう。

何もない、風しかないと。その風が産業の資源になるとは思いもよらなかっただろう。

ただ風力発電が地元の産業として利益をあたえるものになるかは未知数かとおもうが。

さて、閑話休題。

帰ろうとなったら一気に帰る性格のため、途中はどこに立ち寄るでもなくただひたすら走り続けた。

福島の郡山あたりを走行中、何かを取り出そうとして信号待ちでウエストバックを探った。

おそらくその時であろう、財布が抜け落ちてしまったようだ。

しばらくそのことに気が付かず走り続けて、ようやく夕飯でもと思って立ち寄ったスーパーにて気づく事になった。

そして、一気に血の気が引いたのは言うまでもない。

とりあえず、一呼吸。しかしどうにも策が思いつかない。

要はパニックに陥っていた。

とりあえず、ポケットのわずかな小銭を頼りに実家に電話することにした。

一人でも何でもできるとイキっていたのはいったいどこへ行ってしまったのやら。

すると、なんということでしょう。地元の警察署に届けられていると連絡が入っていたのだった。

財布の中の免許証が手掛かりとなった様だった。

それにしても、なぜ警察署に。

どうやら、後ろを走っていた親切なご夫婦がわざわざ車を止め、その場所から決して近くない警察署まで届けてくれたのだった。

お礼はいらないとの事だったが、警察の方が電話番号を教えてくれたのでお礼だけは口頭でお伝えするはできた。

福島の人の親切に触れ、逆に自分の小ささを感じ、とても恥ずかしくなったのを覚えている。

そういえば、その後も福島の人、もとい東北出身者の方たちとは何度もよい出会いがあり、お世話になっている。

正直、関わる人、関わることで良い記憶しかない。

これは、なんか東北の人たちがみんないいひとばかりだからか。

そんな気さえしてしまう。

最近、ラジオでトラックドライバーさんが投稿していた件が印象的だった。

福島県を走行中、こんな電光掲示板の文言に思わずジーンと来てしまった、と。

こんなことが書かれていたようだ。

「物流を支える皆様ありがとう」

道路の情報とか警告とかを表示させる為の電光掲示板。短い文言を載せる事しかできない制約の中で放つメッセージとして最高のセンスじゃないですか。

コロナ禍で様々な変化を強いられて、いろんな出来事に翻弄されて、でも日常を守るべく使命がそれぞれにある。

この道を走る人たちが今どんな気持ちなのか。そういったことに寄り添っていける、そういう想像力の高い人達がその掲示板の向こうにいることが容易に想像できる、なんとも気持ちの良いエピソードだった。

「うつくしま ふくしま」

もう30年近く前のキャッチコピーだけど、当時(いまでもらしい)福島の観光招致キャンペーンとして使用されていた。

当時は、なんだいダジャレか。と、特に気にしていなかったけど、いまならそれが採用されたのがなんとなくわかる。

もともとの気質もあるだろうけど、その土地のうつくしさとかは勝手に醸成されるものじゃない、と自分では思っている。

元々あるものをさらに育て、良くしてゆく。さまざまな関りで、さら玉成させてゆく。うつくしく育ててゆく。そんな土壌が人々の気持ちのなかに形成されているんじゃないかと思う。勝手な思いかもしれないがそんなことを感じている。

以前から地方には興味があった。

具体的なことは特にしてこなかったのに言うのもなんだけど、どうにか関わってゆきたいと感じていた。

しかしながら、今の自分の置かれた状況。これを契機にすれば、これからは自分が能動的に動けば関わりは増えてゆくだろうと感じている。

その時にどういう形になるかは私次第。

私の思い、肝の据わりかた、方針、戦略、理念。

どうなるかは今の時点ではノープランだが、いずれははっきりさせてから行動に移したいと思う。

旅の与太話から意外な方向に脱線してしまったが、今日はここまで。

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