BLOG 【かえる日和】

ポイント オブ ノーリターン

前回、仕事から離れて色々と思考を巡らせて、なんて話をしました。

だからというわけではありませんが、実際仕事から少し距離を置く様な状況になっておりました。

家にいる時間が結構あったのですが、その間自宅で何かをすることや、自分のなりわいとその関係性としての家の在り方について思い巡らせておりました。

で、気がついたのが、家のスタイルが現在のような形になったのって、つい最近なのではないか。という事です。

かつての日本において、庶民の暮らし方としては職住合体型の家屋が多かったのではと思います。

イメージで言ってしまうと、屋根裏には蚕さんがいて、土間で縄をより、居間で機を織り。長屋に住む大工さんは、仕事から帰ると道具の手入れに精を出し、といった感じで緩やかな境界線を隔て、一つの場で色々な事をこなしていたのだと思います。仕事と生活が同居し、なりわいがそのままライフスタイルとなっていたのでしょう。

近年、会社に勤める暮らし方になって、家はくつろぎの場所として定着していき、オフタイムを過ごすパーソナルスペースとして独立した空間となりました。

なので、長らく仕事を家に持ち込むという習慣がなかったのではないでしょうか。

もちろん、これはケースバイケースなのでそれぞれの生活様式は多様であると思います、ですがここは論点を絞るためオフタイムの空間としての家の在り方について語りたいと思います。

家の機能の一つとして、安らぎや癒しを与えるというものがあると思います。

演出としては、床、壁材に温かみのあるイメージのものをしつらい、適度な採光や空調、落ち着いた移動を可能にする間取りなど。ゆっくりと過ごす為の仕掛けであるが故、これらは自宅内での活動量を減らす効果を発揮します。

そうすると、そういった空間での仕事はとても困難なのではと想像がつきますが、ある意味当たり前なのです。

で、その当たり前を打ち破ってしまったのが今回のコロナ禍。

自宅でのお仕事を余儀なくされた方のご苦労は、いろいろあるかとおもいますが、寛いでしまって仕事にならないという問題を抱えてしまった方も多いのではないでしょうか。

今回私が考えていたのは、その仕事環境を快適にするための機能化と、演出を含めた改善策です。

その禍を転ずる方策として、

「もう元には戻れない、・・いい意味で」

というキーワードを掲げたいと思います。

例えとして何か一つを挙げると、案外どこでも仕事ができるというのを知ってしまった。

という事が一つ上げられるかと思います。

他にもいろいろ出てきそうです。

私は家にいて、普通に事務仕事をしますし、色々とアイディアを浮かべて、新しい施工方法を自宅で実験したりという事を日常的に行っています。

ある意味職住合体で、しかもそれを結構楽しんでやっていますので、くつろぎの空間としても機能しています。

ゆくゆくは開発ラボの様な家を理想として増殖させてゆきたい所です。

何てことを書くと、いろいろな道具や機材が散乱している混とんとした場所をイメージされるかもしれませんが、実際そんな感じです。

私の魔窟のような空間をつきつめても仕方ないですが、何かヒントになるのではと思っています。

何故かというと、何かと共存してゆく、境界があいまいになってゆくというテーマと更に向き合ってゆかなければならない時代がもう来ている、と思うからです。

家が多機能で良かった、躊躇することなく家をいじり倒すことが出来る環境にあったのは今回有利に働いたかと思っています。

今後も、楽しんで家をぶっ壊してゆくような試みを続けてゆきたいです。

なんか頭悪そうなことが始まりそうですね。

ポイント オブ ノータリン

にならないように気を付けなければ・・。

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